■ NXPowerLite ファイルサーバエディション導入事例 - 日本アムウェイ



家庭日用品等のダイレクトセリング企業、日本アムウェイ合同会社 情報サービス本部 情報技術部 技術サービスグループ 課長 筒井新氏(写真右から2番目)、同グループ 遠竹靖宏氏(写真右端)、吉村慎也氏(写真左から2番目)にNXPowerLite ファイルサーバエディション導入の経緯や評価について詳しく聞きました。(左端は弊社代表 高山)


(日本アムウェイについて)
化粧品や栄養補助食品、台所用品など、高品質の日用品を開発、製造、ディストリビューターによる直接販売をする企業。全国7箇所にアムウェイ・プラザ、また4箇所に流通センターを有する。1979年営業開始、年商は978億円、従業員数551人(いずれも2009年12月末日のデータ)。






― 日本アムウェイでは、NXPowerLite ファイルサーバエディション(以下 NXPowerLite)をどう活用していますか。

日本アムウェイでは、NXPowerLiteを使って、全社用ファイルサーバ3台(合計4.5TB )のファイルの軽量化を実施しています。概要は次のとおりです。

■ ファイルサーバの概要
項目 内容 備考
軽量化している
サーバ台数
3台
- いずれも部門用ファイルサーバ
(部門ごとにフォルダを割り当て。地方9拠点を含む全社が使用)
- 各個人用ファイルサーバ(一人あたり250MB割当て)は軽量化の対象外
ファイルサーバ容量 4.5TB 1台あたりの割り当て平均1.5TB
ファイルサーバの
使用ユーザ数
約1,000ユーザ 正社員約550名および契約スタッフなど約650名
ファイル総数 推定400万個 1年半前は284万個(2009年6月の棚卸により確認)

所有者不明の「迷子のファイル」に対しても「疑わしきは消さない(保存する)」という方針で対処しているため、ファイル数は基本的に「増える一方」
ファイルサーバ使用率 常時90%超過 -


■ NXPowerLite運用の概要
項目 内容 備考
導入時期 2009年8月 現在、活用開始から約1年半が経過
軽量化対象ファイル PowerPoint、Word、Excelなどオフィス系ファイル、JPEGファイル 営業部や教育トレーニング部が作るPowerPointは、美麗な写真を多く含むため、サイズが10MBを超えることも頻繁。
軽量化のポリシー 原則として「1ヶ月以上更新していないファイル」のみ軽量化 当初は、6ヶ月以上更新していないファイルを対象に実施。現在は1ヶ月以上更新していないファイルに変更。
ファイル軽量化の
実行タイミング
3ヶ月に1回程度 ユーザの要望、クォータ管理で設定しているアラートメール確認後に、ユーザに提案し実行。

※ ファイルサーバのバックアップ体制
  • 各ユーザ向けの削除データ復元用:Windowsシャドウ コピーを昼12時と深夜2時に実施
  • 会社全体向けの災害対策:ストレージ全体を東京から大阪データセンターへレプリケーションを毎日実施。データは2日分保存。





― 現在の導入効果を教えてください。

NXPowerLiteの導入により、ファイルサーバの使用量を最適化できています。以下、グラフやデータを使ってご説明いたします。

1.各部門でのファイルサーバ使用量の増減の経緯
    NXPowerLiteを適用している部門のファイルサーバ使用量
    (2009年12月から2011年1月まで14カ月間)

     ※ 丸の箇所はNXPowerLiteの実行によるファイルサーバ使用量の減少タイミング。


    このグラフを見れば、ドライブ使用量が多い部署は、特定部門に偏っていることがわかります。上から二番目の赤の線の部署は、グラフが上がったり下がったりしています。これは、「ドライブが圧迫されてきたのでNXPowerLiteでファイルを軽量化し、しかしその後、またファイルが追加されてドライブが圧迫されてきたので、またNXPowerLiteを適用して…」という運用を繰り返していることを示しています。

    このことは、もしNXPowerLiteを使わなかった場合、この部門のファイル量は、次のグラフの図のとおり増える一方であったことをも意味しています。



    NXPowerLiteでファイル軽量化を繰り返すことで、ファイル数が増えていく中でも、ファイルサーバの総使用量はほぼ一定に抑えることができています。つまり、ファイルサーバの使用量が「最適化」されています。

2.ある部門のフォルダを最適化した時の結果(ビフォア・アフター)

    ある部門でのNXPowerLiteの適用前と適用後の比較
    (NXPowerLiteのレポート機能による表示)


    最適化(軽量化)が可能なファイル76GBが、NXPowerLiteにより49GBに軽量化(35%削減)できました。なお、PowerPointの削減率は56%、JPEGの削減率は52%でした。

3.営業部データの最適化検証(ビフォア・アフター)



    2009年6月に営業部のデータをNXPowerLiteで軽量化したときのデータです。合計で290MBが35MBへとデータ量が9割近く削減されていることがわかります。

 

 




― NXPowerLiteを導入した理由を教えてください。

NXPowerLiteを導入した理由は、大きくは、「ストレージをいくら増設しても、ファイルがそれ以上のスピードで増えていく」という問題に根本的解決策を与えたいと考えたからです。

― 「ストレージをいくら増設しても、ファイルがそれ以上のスピードで増えていく」とは具体的には?

ファイルサーバの容量圧迫の問題は2007年頃から顕在化してきました。この問題を解決するために、2008年には、ストレージ総量を従来の倍の2.4GB(800GB×3台)まで増設しました。利用状況と過去の増加傾向をもとに予測し、これで3年は持つだろうと楽観していましたが、実際には、増設後1年で容量の70%以上を使い切ってしまいました。

そこで定期的に各部門に協力してもらい、不要なファイルの削除を行いました。しかし、削除しても問題ないのかどうかの判断に迷うファイルも多く、空き容量を増やすほどのファイルの削除は難しい状況でした。根本的な解決策を求め、日頃付合いのある外部の複数の企業に相談をしましたが、どの企業も定期的に時間を割いてファイルの整理・削除を行っているという回答が多い状況でした。

そうした中、ファイル名、サイズ、最終更新日時、ファイル所有者など詳細な各種情報の棚卸しが出来る分析サービスがあることを知り、2009年6月に外部会社に依頼したところ、ファイルサーバ圧迫の元凶は、次のとおり、少数の巨大なファイルだと分かりました。

ファイルサイズ 全体に対しての割合(個数) 全体に対しての割合(サイズ)
100KB未満の小さいファイル 77% 2.5%
10MB以上の大きいファイル 0.7% 61.6%

このデータから次のことがいえます。
  • 個数にして1%にも満たない少数の巨大ファイルが、容量においては全体の60%を消費している。
  • そういう巨大ファイルは、ほとんどがデジカメ写真を豊富に取り込んだ、Microsoft Officeで作成したファイルである。
  • プレゼン用パワーポイントファイルは、どの部門も削除したがらない。かわりに小さいファイルを削除しようとする。
  • しかし、小ファイル(100KB未満)は、個数こそ全体の80%を占めるものの、容量ではわずか2.5%である。こうしたファイルをいくら消しても、容量圧迫の問題解決にはつながらない。

つまり「ストレージの容量逼迫を解決するには、少数の巨大ファイルを削除するほかないが、そういう大きいファイルほど、削除が難しい」というジレンマが生じていました。

ストレージを分析した会社からは、「一年後にはファイルの量が現在の1.6倍にふくれあがる可能性がある」という報告がなされました。早急な対策が必要な状況でした。




「様々な方法を
比較検討しました」

― その後、どんな対策を検討しましたか。

まず「ストレージをさらに増設する」という選択肢は、「費用が莫大である」、「一度、失敗しており今回も失敗する可能性が高い」、「Switch、電源、ラックスペースの確保、年間の保守費等が必要である」という理由により、却下。その後、「重複排除」、「データ圧縮」、「ストレージの仮想化」などシステムによる対策を検討しました。しかしいずれの方法も日本アムウェイの問題を根本的に解決するものではありませんでした。

― 重複排除、データ圧縮、ストレージの仮想化などは、どういう点がよくなかったのですか。

それぞれの手法の難点は次のとおりです。

<重複排除>
このとき検討した重複排除システムには、「抽出ファイル数が1万ファイル以内」という制約がありました。制約を解除するには、ライセンスの追加購入が必要となり、予算オーバーとなるため、検討対象から外しました。また、いくつか試用版のソフトウェアを試用しましたが、「管理者だけでなく、ユーザ側の時間や手間も費やしてしまう」、「その割にはストレージ使用量の削減量は少ない」など難点があったため、これも検討対象から外しました。

<データ圧縮>
ZIP化やPDF化などデータ圧縮による問題解決も検討しました。しかし「圧縮率が予想より低い」、「拡張子が変わる」、「ユーザの使い勝手が悪くなる」などの難点があるため、検討対象から外しました。

<ストレージの仮想化>
複数のストレージ(高機能かつ高価なストレージと安価なストレージ)を、単一のストレージとして扱えるという方策です(データの保存先は自動管理できます)。ストレージコストを大幅削減できるとのふれこみでしたが、予算を大幅に超える高い品物であったため、検討対象から外しました。


以上、いずれの手法も決定打に至らず、八方ふさがりの感がありました。ソフトウェアによりOfficeファイルを圧縮するというNXPowerLiteのことを知ったのは、その頃のことです。




      「この手があったかと
       感心しました」
― NXPowerLiteを知ったときの印象はいかがでしたか。

ホームページには、「パワーポイントファイルが90%近く軽量化できる」と書いてあり、それが本当ならスゴイと思いました。さっそく評価版を取り寄せて、特に重そうな50MBのOfficeファイルを試しに軽量化してみたところ、本当に数百KBにまでサイズが削減されました。しかも、軽量化後もそのまますぐに開くことができます。感動しました。

それまではファイルサーバの最適化を、ストレージの増設や重複排除、データ圧縮などハードウェアやアプライアンスにより実現しようと考えていました。ソフトウェアによりファイルそのものを小さくしてしまうというNXPowerLiteの手法は、この手があったかという印象。目からウロコでした。

動作原理(圧縮原理)もシンプルで、ファイルを壊す心配もなさそうでした。価格も手ごろであり、導入を決定。2009年8月のことです。


― NXPowerLiteを導入するにあたり、懸念はありましたか。

唯一の懸念は、「軽量化した結果、画像が粗くなりはしないか」ということでした。さらに正確にいえば、「営業部門などから、画像が粗くなったと苦情が来たら困る」という懸念でした。

画像が粗くなったかならないかは、人によって基準が違うので、数値判断ではなく、社内ユーザに実際に判断してもらいました。具体的には、グラフィックが特に重要なパワーポイントファイルを提供してもらい、それを軽量化し、そのファイルを目視してもらいました。その結果、各ユーザからは、「粗くなっていない。これなら大丈夫」との評価(承認)が得られました。懸念は解消です。

ユーザとしても、画質が劣化しないのなら、ファイルは軽量なほうが取り扱いがラクになります。NXPowerLiteの導入は、社内からも歓迎されました。





― NXPowerLiteへの評価を教えてください。

NXPowerLiteは次の3点が良いと考えます。

良い点1:減らせる。
ストレージ軽量化ソリューションに求めることはただ一つ、ストレージ使用量を減らすことです。NXPowerLiteは、ファイルサイズを本当に減らせるので良いです。

良い点2.ユーザに迷惑をかけない
4.5TBのファイルサーバ上で1年半運用していますが、これまで社内ユーザから、画質についてクレームが来たことはありません。またNXPowerLiteが原因でファイルが壊れたこともありません。完全にノートラブルです。

良い点3.価格がリーズナブル
重複排除やデータ圧縮アプライアンスなどはいずれも高価ですが、NXPowerLiteは1ライセンス50万円の、リーズナブルな価格です。


― 現在、ストレージの軽量化に悩んでいる他の情報システム部の方にメッセージなどあればお願いいたします。

まずは、NXPowerLiteの試用版をダウンロードし、この製品を体験することをお薦めします。ファイルサーバの運用やインフラの整備にかける時間とコストの一部を、このNXPowerLiteに置き換えるだけの価値はありますし、それ以上の効果が生まれると思います。コスト意識が高く、1分1秒を大切にしている企業には、まさにうってつけの製品だと思います。

「オーシャンブリッジの今後の
支援に期待します」
― オーシャンブリッジへの今後の期待をお聞かせください。

今回、NXPowerLiteの導入により、日本アムウェイのファイルサーバの活用は大幅に最適化されました。オーシャンブリッジには、今後とも、情報システムの抱える様々な課題を解決するための「使えるソフトウェア」を世界から見つけてきていただき、日本アムウェイ 情報技術部の業務の効率化を支援していただくことを希望します。今後ともよろしくお願いいたします。 


 

日本アムウェイ様、本日はお忙しい中、
貴重なお話をありがとうございました。

※ 日本アムウェイのホームページ
※ 取材日時 2011年2月
事例制作の株式会社カスタマワイズが執筆